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3月 オープンアトリエ(体験会)を行いました! =中学生向けクラス編=

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは長野県朝日村にて、2023年4月のオープンを目指して準備をすすめています。

オープンに先駆け、アトリエがどんなどころなのか? こども達はどんな雰囲気で創作ができるのか? を体験いただける機会をつくりたいと思い、オープンアトリエを企画し、先週末25、26日にたくさんのこども達が集まりました!

その様子をシェアしたいと思います!

まずは、中学生向けクラス編です。

もくじ

中学生向けクラスの様子

“中学生向け” とありますが、小学校高学年からご参加可能です。

お問合せいただき当日来てくれたお子さんの中には4月から小学校5年生、6年生の子も混ざったクラスでした。

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

この回は、2月に塩尻のピッコロモンドアートで開催したワークショップと同様に、水彩絵の具の技法を紹介しました。

同じ表現方法を伝えても、どんなものを描こうとするかは年齢や個人によって本当にさまざまですね。

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

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アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

グラデーションのやり方を活かしてじっくりとリアルなお花を描こうとしたり、同色で強弱をつけながら模様を描こうとしたり、反対色のコントラストをきれいなグラデーションをつけながら描いてみたり…

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

なかには、クラスで紹介した技法は使わず、その場にある水彩絵の具を使って自分の描きたい絵をもくもくと描く子もいました。

もちろんそれもOKです!

クラスで取り上げたことをやらなくても構いません。そこにある道具や材料を使って、自分の好きなように自分の制作を進めてください

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

それぞれの「やってみたい」と思ったことを、それぞれの「やりたい」と思う基準で主体的に手を動かしてもらえればいいと思っています。

それが本人にとっては一番楽しい “つくる” 時間なのですから。

一旦途中で応用の仕方を紹介する時間を設けました。

水彩絵の具の技法を用いて、どんな絵が描けるのか?を資料の本をいくつか紹介したり、わたし自身のイラストレーターの仕事として描いた絵を見せながら、「ここはさっき見せた技法を同じやり方ですよ」というように紹介しました。

以降は、こども達それぞれが描きたいものをもくもくと描き進め、あっという間にオープンアトリエの時間は過ぎていきました。

みんなもっと画用紙をどんどん使ってね!と声をかけましたが、1枚の紙にひとつひとつのものをじっくり描く子が多かったです。

アトリエの時間の最後には、その日に取り組んだものをみんなでシェアする時間を設けました。

今日やってみて難しかったことはありますか?」という質問を投げかけて、それぞれ「こんなところが難しかった。」「思ったようにいかないことがあった。」という内容をシェアしてもらいました。

「その場合はティッシュを使うとうまくいくかもしれない」など、クラスの最中にそれぞれ個別にアドバイスしていたことを、わたしから改めてみんなの前でお伝えし、解決策やアイデアをみんなで共有することができたと思います。

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

やはり、その日はみんな初対面でそれぞれ作業をしていたので、ワイワイというよりは少し緊張感がありましたが、もくもくと集中できるいい時間になっていたのでは、と思います

あまりにもみんなが集中して取り組んでいたので、わたしもクラスの様子を写真に撮ることすらすっかり忘れていました…!残念!

ご参加ありがとうございました!

改めまして、朝日村のアトリエまでお越しいただいたみなさん、ありがとうございました!

わたしの感想としては、まずは実際にアトリエにこども達が集まってくれたことが本当に嬉しくて嬉しくて、感無量でした。

そして、ありがたいことに当日入会される方もいらして、本当に嬉しかったです。

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

詳しく書いているページはこちらから

↓↓↓

中学生となると、部活との兼ね合いや塾通いに受験など、とても忙しいスケジュールをやりくりしなければいけませんね。

そんな中でも「自分の手で好きなものをつくる」という時間をつくれたら、それはとても贅沢なことかもしれません。

アトリエ ユモレスクでは、表現の幅を広げ、自分らしい「好き」や「いい」と思う感覚を見つけるサポートができればと思っています!

こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは昨年オープンしてから1年3ヶ月が経ちました。

アトリエに通っているこども達は朝日村だけではなく、お隣の塩尻市・山形村・松本市から、北は安曇野、南は辰野、東は岡谷から… と、個性豊かなこども達が集まっています!

これまでのアトリエでのこども達の様子・変化をふりかえり、オープン当初に掲げていた『こういうアトリエにしていきたい』のイメージは実現できているのか?現実とのギャップはあったのか?など、私からの視点を記録したいと思います

・・・

アトリエでのこども達の様子

小学生向け のびのびクラスの変化

のびのびクラスは現在3クラスありますが、半数以上は3年生以下の子達でした。

はじめの頃は、道具の使い方や手先の力加減について、より多くのアドバイスをしていたのを覚えています。

例えば、大きなカーブを切っていく時・細かい切り込みを入れる時にはどのくらいハサミを開いて前へ進めていけば切りやすいか?

筆をにぎる時には、大きく塗る時と細かい線を描く時では持ち方を変えた方が塗りやすいこと。

型抜きパンチを使うときには「一気に力を込めて!もっと!がんばれ!」と声をかけながら… などなど。

困っていたり、うまくいかないで顔をしかめている姿を見つけたら、その都度 声をかけてアドバイスしていました。

とはいえ… 筆を握り直したのも束の間、夢中になるとまた忘れてしまうようです(笑)

楽しそうな顔付きでぐんぐん進めていたり創作がノっている様子ならば、あえて指摘して水をさすことはせず、スルーする時もありました。

こうして振り返ってみると今では驚くことに、1・2年生でもお裁縫の針と糸を使いこなす子もいれば、針金用のペンチでワイヤー工作をする子もいるなぁ、と。

みんないろんなことに興味が向いているので、「今日はぬいぐるみをつくってみたい」「これとこれをつなげてみたい」がきっかけです。

「じゃあこれ使ってみる?」と提案することで、初めてお裁縫にチャレンジしたり、ワイヤーを使うようになりました。

真剣に針に糸を通したり、握力もまだか弱い小さい手で… 一生懸命 頑張っています。

その様子を見ると「つくりたい」「やってみたい」という気持ちが一番のパワーの源であり、やる気スイッチなんだな〜と感じます。

はじめは誘導を待っている様子でした

はじめの2ヶ月くらいは特に、「自由ってどういうこと?何したらいいの?」という様子もみられました。

というのも、月の後半は自由創作の回としています。

「今日使う材料はこれ、こういう順番で作って次はこうして… 出来上がりはこうです。」

といった、目で見て分かりやすい流れはありません。

「今日はみんなの自由です。でも、おもしろい作品があってみんなに見せたいから一緒に見てみよう!」

と、いくつか絵や工作の作品例を見せながら、「この作品はアトリエにある道具ならこんな風に作れるよ」といった具合に、小ネタを紹介しています。

その後「あとは自分の好きなことをする時間にしましょう!」と、自由創作の時間に、という流れです。

そこから小走りで好きな材料を手に取ってどんどん作りはじめる子もいれば、お家からお気に入りの道具を持ってきて作る子もいます。

紹介した作品を見て「わたしもこれ作ってみたい!」となる子もいれば、じっくり材料棚を見つめながらゆっくり決めて作りはじめる子もいる… という環境に、今は完全になっています

いつも女の子の絵を描く子、動く人形シリーズ・アイロンビーズの立体人形シリーズなどシリーズものに取り組む子、毎回思いついた工作を何個も作り上げる おもちゃ博士など、どちらかというと自分の”やりたい”が明確でアクセル全開タイプの子がアトリエには多いです。

一方で、本を読んで休憩していたと思ったら急に思いついた絵をすごいスピードで描きあげるような、アイドリングタイムが必要な子もいますし、”今日はここまでやる” を淡々と積み重ねて、何ヶ月かかけてゆっくり1つの作品に取り組むスローペースの子もいます。

そんな風にみんな全く違うことをしていいし、動くペースも違っていいし、どれでも好きな道具を組み合わせていい、というアトリエの雰囲気を全員でつくってくれています

今ではすっかりその雰囲気が定着しましたが、はじめの2ヶ月くらいは「わーい!自由だ〜!」となる子達の中で、どうしたらいいのか分からない、という様子もちらほら見かけました。

考えてみれば、小学校に上がり「家でしていいこと・学校でしていいこと」の違いを理解できる、つまり場所に応じて自分がどう振舞っていいのかを変えられる年齢でしたね。

だからこそ「この場所ってこういうところ」を知って、自分にとって自然な振る舞いとなるまで、人によっては少し時間が必要だった。と私も気付かされました。

想像するに、習い事=なにかを教わるところ=先生の言うことを聞くところ、というイメージも影響しているのかなと思いました。

「今 先生が紹介したものをみんなやるんじゃないの?」「今日も先生に言われたことをやるんじゃないの?」と戸惑うのも自然ですよね。

この “雰囲気づくり” に関してはやはり講師側でいくら「自由だよ」と言うよりも、まわりのクラスの子たちが自由闊達に振る舞う姿を見て、徐々に感じてくれたのだと思います。

こども達に随分とリードしてもらいました。

相談することが普通のことになった

はじめの頃は、2週間に1度しか顔を合わせない場所で、みんなの前で発言することは少し勇気がいるようでした。

それでも積極的な子は「これ使っていいですか?」などと話しかけてきてくれますが、どちらかと言うとサササ〜と私に近寄ってから小さい声で話しかけてくる子が多かったです。

それがいつの間にか、相談することが普通になってきたというか、普通に話しかけてくれるようになったのを感じています。

今では「せんせーい!」と次々に声が上がるので「ちょっと待ってね、順番ね。」とあっちへこっちへと忙しく動き回っています (笑)

もちろん、こども達がアトリエに慣れてくれたことが1番大きいと思いますが、おそらく自由創作の時間も影響してるかな?と想像しています。

みんなで一緒に同じことに取り組む回では、必要な材料は机に並べてあり、デモンストレーションで見た手順を忘れても隣の子を見ればだいたい分かる。

みんなと同じ流れで進んでいる分、「分からない」と発言することが目立つ、のも事実です。

一方、自由創作では 聞かないと進めない=やりたいことができない。にぶつかります。

自由創作では、自分の作るりたいものの材料・道具・手順の情報が全て揃った状態ではないため、

「こういうの作りたいんだけど、材料ある?」「ここどうしたらいい?」「思ったようにくっつかない〜」など相談事がグンと増えます。

聞かないと進まないから聞く。を みんなが繰り返しているうちに、相談しやすくなったのかなと思います。

もちろん、恥ずかしがり屋の子は今でも耳元でささやくようにしてきますが、それは人それぞれでOK◎

小学高学年〜中学生向け もくもくクラスの変化

もくもくクラスは1回2時間で、今現在は小学校6年生のこども達が通っているクラスです。

小学校の授業が45分なことを考えると、2時間は長いかな?という不安も当初ありました。

が、みんなのやる気はパワフルで、時間いっぱいまで集中している子がほとんどでした。

はじめの頃、最後の30分くらいで集中が切れたのか、全く違う工作をはじめる様子も見られました。

もちろんそれも全然OKですし、途中休憩も自由に取りながら自分のペースで進めることはいいことだと思っているのですが、

そういった子もいつの間にか時間いっぱいまで手を動かすようになっていて、その集中力とモチベーションの高さに本当に感心しています

また、のびのびクラスと同様に、もくもくクラスでもはじめの頃は「自由創作時間」に「え?どうしよ?」と周りを窺っている様子もみられました。

が、のびのびクラスよりも早い段階で「自分の好きなことをする」という時間に慣れていきました。

やはりここでもマイペースに振る舞う子が雰囲気をリードしてくれて、「あ、本当に好きなことしていいんだ」感じてくれたんだと思います。

絵を描くのが大好きな子達が集まったクラスで、自由創作の回は毎回それぞれ好きな絵をもくもくと描いて過ごしています。

自分で選びとることが当たり前に

もくもくクラスの変化で顕著だったことは、自分で選びとることが当たり前になってきたな、ということです。

自然な反応ですが、やはり「誘導待ち」の様子ははじめの頃に見られました。

描けました、で次は?これはどこに置く?どこで乾かす?何を使う?という状況になると「待つ」という行動だったのが、今は随分と主体的に、積極的になったな〜と感じています。

段取りというと大げさかもしれませんが、こども達が自分で選び取っている、そんな気がします。

具体的にいうと、絵の具が乾くには時間がかかることを理解し、ある程度 推測してその間に別のことをしようと切り替えたり、乾いているかどうか自ら様子を見て、別の作業と行ったり来たりできる

大人には当たり前に感じますが、小学生が自分で選択して行動を組み立てられることってすごいな〜と思います。

もちろん、場所への慣れ・年齢が上がったことによる成長が大きいにしろ、こんな風にできるようになるなんてこども達の慣れていく力ってすごいな〜と本当に感心しているこの頃です。

実際に感じたギャップ。思っていた以上に…!

興味を持つ / 持たないのギャップが激しい

こどもアトリエでは、毎月1回目は新しい表現方法を紹介する、というやり方でみんなで一緒に同じことに取り組む回があります。

大概はみんな新しいことに興味を持って取り組むのですが、たま〜に「私はいいや」という子もいます

まずはみんなと一緒に取り組み、ある程度できあがったら「違うことしてもいいですか?」と切り替える子もいます。

もういいや=今日のミッションクリアした感があるのでしょうか、「もちろんいいよ〜」と言うと嬉々として自分好きな工作をはじめます。

興味関心・好きなことは人それぞれなので、アトリエではそれも全然OKにしているのですが、みんなのその日々の違いを見るのが面白かったです。

「もう片付けの時間だよ〜!」と言ってもいつまでも手を止めない回もあれば、早々にやめて切り替える回もあるので、「あ、今日のやつはそこまでハマらなかったんだな〜」というのが分かりやすいこと(笑)

その興味の振れ幅が想像していた以上で、人による違いや毎回の変化を見続けられるのがとても興味深く、本当に人それぞれだな〜と染み染みと、私自身もとても楽しくアトリエの時間を過ごせています。

他の子がやっていることはインスピレーションになる

これもまたこども達の様子を見るのが興味深いです!

私が思っていた以上に、みんな周りの様子が気になる(興味がある)ようだし、影響を受けるようです。

「向かいの子がなんか面白いことしてる…」「あれ使って何つくるんだろう…」

という眼差しでじ〜っくり見つめていることもあれば、横目でチラチラ見ている時もあり、そのうちインスパイアされて真似て手を動かしはじめます

分かりやすい連鎖反応だと、ひとりがスライム作りをはじめたらいつの間にか全員がスライムを作ってスライム祭りになったり!

ひとりが粘土でお菓子を作りはじめたら、わたしはドーナッツ!わたしはパフェ!わたしは… などなど。

他にも、色塗りにペットボトルの蓋をスタンプのように使い出す子をみて、真似るついでに2色3色合わせてグラデーションのスタンプ塗りを試してみる。

またその様子をみて、スプーンやネットを使ってみる子も出てくる….

といったように、これも試してみよう!の連鎖が変化していくこともあります。

これが起こると化学反応のようで最高に面白いですね!

1人では思いつかないことが、複数人だと湧き起こり、広がっていく!

学校もそうでしょうかが、これは “つくる” ことが好きな仲間が集まっているからこその醍醐味だと思います。

発表は苦手、みんなに見せたくない時もあるけど見てもらうのは嬉しい

こどもアトリエでは、何か最近おもしろいもの見つけてファイルに入れた?美術館に行ったりした?と聞いてみたり、クラスの最後には今日つくったものを見せ合う時間があります。

いずれも、シェアすることで色んなアイデアを知る機会になり、人に見てもらうことで自信をつけたり、感想を言い合うことが自然になるといいな。という思惑がありました。

が、みんな思っていた以上にシャイで自分で発表はしたくないみたいですね〜。

特に今日つくったものを見せ合う最後のシェアタイムは、ほぼ私が代わりに発表するというか紹介する形に落ち着いてしまいました

はじめの頃はまだみんな慣れてないしな〜と思い、1人ずつ私が隣に座って「今日は何したの?」とつくったものをみんなに見せて、「ここは大変そうだったね、何を使ったんだっけ?」とインタビュー形式で進めていました。

だんだんと本人の発言を増やしていくつもりだったのですが、なかなかそうはいかず!

クラスによっては全体的にワイワイしている雰囲気で、本人が「ここはね〜こうなってるんだよ〜!」とどんどん説明してくれるパターンもありますが、基本的には私からのインタビュー形式が定着しています。

また、たまに「今日はみんなに見せたくない!」という子もいたりします。

本人的にまだ納得がいっていない段階だったのでしょう。

その時は無理に見せたりしませんが完全にスキップはせずに、「今日は〇〇ちゃんはこんなこと頑張っていたね」と言葉でだけ紹介しています。

しかし、このシェアタイムで人に見てもらうことで自信をつけている様子も確実に見受けられました

例えば、いくつも作品をつくったのに私が気づかずに1つしか紹介していない時、「今日これも作ったんだよ」と自分から見せてくれたりしますし、何よりこども達の顔つきでわかります。

みんな他の子の作品に対して「かわいい〜」「すご〜い」「上手〜」と感想をつぶやく、こども達の反応は本当に素直です。

みんなが自分の作品の周りに集まってきてじっくり見ていたり「すごい」と言ってくれる

それはとっても誇らしく嬉しく感じることだと思います

ときには、時間いっぱい自分のことに夢中な子もいたり、終わらない片付けに一生懸命だったりで毎回毎回みんなが注目しているわけではないけれど、このシェアタイムはずっと続けていきたいです

アトリエの雰囲気はみんなで作るものだった。ひとりでは作れない。

アトリエオープン当初、アトリエの理想というか目指している雰囲気を掲げていました。

実際に こどもアトリエを運営してみて分かったことは、決してアトリエの雰囲気というのは講師ひとりでは作れないということです。

それを明らかにしてくれたのが、のびのびクラス。

3クラスあって全く同じことをやっているのに こんなにも各クラスの雰囲気が違うのか!と。

個々の”やりたい”がはっきりしていて、もくもくとやりたい事をマイペースに進めるクラスもあれば、

わいわいとお喋りしたり教え合う日もあれば、個々にじっくり取り組んだりと気まぐれなクラスもあれば、

みんなが発言する雰囲気で一緒に作って遊んでいるクラスもあり、本当に場の雰囲気というのはみんなで作るものだな〜と教えてもらいました。

しかし全クラスで共通しているのは、それぞれが自分のペースで過ごせている様子だということです。

やりたいことはどんどんやって、興味が持てない時は好きなことをすればいい。

「人それぞれ」でいい。ということをみんなが受け入れているからこそ成り立っていると感じています。

いや〜、こども達の順応性と好奇心の豊かさに感服です!

そして、こうして振り返って染み染みと、楽しいアトリエになってくれて本当に嬉しいな〜と噛み締められました。

以上、こどもアトリエをはじめて1年を過ぎ、私視点の所感でした。

これからもアトリエ ユモレスクをよろしくお願いいたします。

オープン当初の『こういうアトリエにしたい』『アトリエで大事にしたいこと』について

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