こども絵画・工作アトリエ ユモレスクは2023年4月にオープンを迎えます!
(長野県松本広域圏(松本市、塩尻市、朝日村、山形村)のお子さんが通えるエリアだと思います)
このアトリエブログでは、アトリエ ユモレスクの目指したい姿や、どんな雰囲気のクラスにしていきたいのか?をお伝えしていきます。
アトリエ ユモレスクのベースとなっているのは、わたしのイギリス留学でのアートクラスの体験です。
前回のアトリエブログでお伝えしたように、イギリスで感じた自由な感覚を「つくることが大好きだったこどもの頃に感じてみたかった」という気持ちが、アトリエオープンの出発点でした。
そして、わたしがイギリス留学中に体験し、アトリエ ユモレスクでも取り入れたいと思っている大事なことのひとつは、自分の「やってみたい」をいう感覚を大事にすること。自分の実体験を交えてお伝えしました。
つづいて、2つめの大事にしたいことが今回のブログ内容です。
少しお時間をいただきますが、読んでいただけるとアトリエ ユモレスクの雰囲気や講師が目指しているイメージを親御さんと共有でき、「こども向けの絵画・工作教室として求めているものが違った」というすれ違いがなくなればと思います。もう少しお付き合いください。
前回の記事をご覧になっていない方はぜひ先に読んでみてください
みんなでつくる、自分の「いい」「好き」を素直に表現できる時間
ロンドン芸術大学の短期アートクラスに参加し、もくもくと制作している時間以外に、とても好きな時間がありました。
みんなで意見をシェアする時間です。
とあるイラストレーションのクラスでは…
まずクラスのはじめに、みんなでテーブルを囲むように座り、「なにかシェアするものはある?」とざっくりと先生が問いかけます。
ある生徒は、前回のクラスから今日までの間に描いたものを机に広げます。
それは公園でラフにスケッチしたものだったり、新しいイラストのアイデアの紙切れだったり色々です。
個人的に進めているプロジェクト(イラストのコンペや独自に絵本を描き進めているなど)がある生徒もいました。
今はこんな段階なんだけど、ちょっと煮詰まっていて… という相談をする時もありました。
なかには、「イラスト投稿サイトに作品をアップしてみたら、出版社から連絡がきて初めて打合せをすることになった!どうしよう〜!?」というビッグニュースもありました。
シェアする時間では、先生からコメントがあるのはもちろん、他の生徒も自由に反応を表に出していいのです。実は、そこがとてもおもしろいポイントだったのです!
新しいアイデアやみんなに見せたスケッチに対して、「それすごくいいね!」「こっちにも見せてー!」という素直な反応や、「この2つだったらこっちの方がわたしは好きだな」など、客観的な意見をもらえることは、煮詰まっている本人にとってはとても嬉しかったり、ブレイクスルーのきっかけになったりします。
また、「この前使った画材だとここの感じが上手く出せるかもよ?」や「わたしもこれをやろうとしたけど上手くいかなかった」と成功・失敗に関わらず自分の経験をシェアしあったり。
それぞれの相談に対する一連のやり取りを第3者として見聞きするのもおもしろかったですね。話を聞くだけでも経験値が高まるので、とても貴重なことでした。
思い返すと、どの先生のクラスでも必ずみんなで意見をシェアしたり作品を見せ合う時間がありました。
クラスの途中や終盤、締めくくりにやる、など先生によってタイミングはそれぞれで、はじまりと終わりで2度のシェアタイムがあるクラスもありました。
しかし、日本から来たわたしはこのシェアタイムに慣れていなかったので、はじめは萎縮していました。
「アドバイスは先生がするもの」「他の生徒は自分の順番が回ってくるまで黙って聞いているもの」と、なぜか無意識に思っていたようです。
というより、何かを人に見せられた時、良し悪しの「評価」というレスポンス以外、当時の自分の引き出しにはなかったのかもしれません。
それがどうでしょう。まわりの生徒たちの自由で素直なレスポンスに、びっくりですよ。
というより、そこで行き交っていたのは「意見」であり、決して良し悪しの「評価」ではありませんでした。
主に、自分が今「いい」と思っている作品を見せたり、自分が「いい」と感じたら素直に伝えたりすること。
それぞれの価値観のシェアでした。
なにかを見せて反応をもらうのは先生だけでない、というのもその場がフラットに感じた要因だったと思います。
「ああ、そうか。自分の意見を素直に言ってもいいんだ。」と実感し、納得したのです。
わたしも、自分からだんだんと言葉を発することができるようになり、シェアタイムを楽しめるようになりました。
こども絵画・工作教室 アトリエ ユモレスクでも大切にしたいこと
アトリエ ユモレスクでも、みんなでつくる時間、シェアタイムはぜひ取り入れていきたいです。
わたしはロンドンのアートクラスでの体験から、自分が「いいな」と思ったことを作品だけでなく言葉でも表現する、小さな勇気をもらった気がします。
と同時に、《それぞれの「いい」と思う感覚はちがう》という事実も学びました。
かたくるしい説明はせずとも、アトリエで過ごす時間の中でこども達にも似た様な感覚が伝わればいいなと考えています。
アトリエ ユモレスクでも、創作時間のおわりには、その日につくったものを見せ合う時間を設けようと思っています。
決して作品の良し悪しを評価する場ではなく、それぞれの「好き」や「いい」という価値観を共有し、刺激し合う時間となればと思っています。
作品は完成していても、つくり途中でも構いません。
互いにつくったものを見せ合ったり考えを伝え合うことで、人それぞれが持つ「好き」や「いい」の形に触れることができます。
また、「それはどうやってつくったの?」というコミュニケーションをすることでアイデアをシェアし、あらたな創作意欲が刺激されることも期待しています。
何より、自分のつくったものに関心を寄せてくれる仲間がいる、というのはとても誇らしく、うれしく感じることです。つくる側として、わたしはそう感じます。
おおげさに聞こえるかもしれませんが、“つくる” という行為は、人それぞれの「好き」や「いい」という内側にあった感覚を具現化し、形にしていく作業でもあります。
一生懸命つくった本人にとっては、創作物は自分の感性の一部。自分の一部のようなものなのです。
堂々と見せる時間があり、目を向けてくれる仲間がいるのは嬉しいですよね。
なので、もしアトリエに通うこども達が「見てみてー!」と作品をかかえていたら、まずはじっくりと見てあげてから感想を伝えてほしいな、と思います
\もしご興味のある方はアトリエの様子はブログに書いています!ぜひCheckしてみてください/